ロシアW杯へ切符

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サッカー日本代表は31日、ホームでオーストラリアと対戦し、2-0で完勝した。この結果、最終予選グループ首位を決め、6大会連続となるロシアワールドカップの切符を手にした。

ロシアへの道は最悪の船出だった。ちょうど1年前。2016年9月1日、ホームの埼玉スタジアムにUAEを迎えたW杯予選初戦は1-2でUAEに逆転負けを喫した。報道によると、初戦敗退したチームがW杯に出場したことはこれまでに一度もない。確率ゼロというジンクスが日本に重くのしかかった。試合後、次のタイ戦を控え、本田圭佑は

「逆にね、初戦負けて出た歴史がないということを聞かされると燃えます。それだけ難しいことなんでしょうけど、(本戦出場という)結果で証明したいと思います」

と強気の発言でチームを鼓舞した。負けられない戦い。重圧は計り知れない。

若手が萎縮してしまっている、世代交代が進まない……。ハリルジャパンには問題点が噴出していた。順調に勝ち星や引き分けを重ねながら、徐々に勝ち点を積み上げていく。それでも、当時ACミランに所属していた本田は出場機会を逸してコンディションは上がらず。主将の長谷部誠は足のケガ。エースとして期待がかかるドルトムントの香川真司もシリアとの国際親善試合で脱臼して戦線から離脱して迎えたオーストラリア戦だった。

しかし、ピンチは若手の奮起を促した。これまでの主力メンバーを欠く中で、台頭してきた筆頭が原口元気や久保裕也だ。久保は敵地UAE戦で値千金の1ゴール1アシストをするなど新たなエース候補に浮上。原口も豊富な運動量でピッチを走り回り、チームに安定感を与えた。

このほか、FW大迫勇也はポストプレーに優れ、ディフェンスがクリアしたボールを懐深く収納してタメをつくり、カウンターの起点になっていたし、スペインリーグでバルセロナから2ゴールを奪うなどキレを増してきた乾貴士。中盤では豊富な運動量とボール奪取能力の高い山口蛍と、オーストラリア戦でだめ押しゴールを奪った井手口陽介はチームに躍動感を与えた。

いずれも能力に定評はあったけれど、出場機会に恵まれていなかったりチームにフィットせずに結果を残せていなかった。それが主力の不調によって出場機会を得てようやく歯車が回り出した。

あくまでぼくの感想だが、オーストラリア戦の日本代表は1年前の日本代表の印象とは大きく異なる。1年前の本田や香川を軸にした代表チームは、一旦本田や香川に預けてから攻撃はスタートし、そこからパス交換で相手を崩して得点を狙う。本田や香川は違いを作り出せるけれど、攻撃のスピードが緩み相手を崩しきれないことがここ1年増えてきていたし、チームの推進力欠如につながっていた。

今回のオーストラリア戦はまず守備から攻撃が始まる。井手口や山口、長谷部といった選手が相手の攻撃の芽を刈り取り、乾や浅野の裏を狙ってボールを預ける。その外側を酒井高徳や長友佑都らが追い越し、サイドから中央に折り返してディフェンスを崩す。1点目はまさに長友からディフェンスの裏へのパスに、抜け出して反応した浅野が冷静に合わせてゴールに結びついた。動きながらのプレーが得点につながった。

だめ押しとなった2点も守備からだ。原口のボール奪取で拾ったボールを井手口が思い切りよくミドルシュート。これがゴールマウスのキーパーの手をすり抜けてトドメになった。パス交換からリズムをつくるパスサッカーから若手が中心となってプレッシングからショートカウンターで素早くゴールにつなげる。運動量が核になるサッカーに変わった。

まずはロシアへの切符を手にした日本代表。この戦い方をベースに、いかに本戦までに精度を高められるか。準備は次のサウジ戦から始まる。

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