都議選、自民惨敗の底流

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7月2日投開票の2017年都議選は小池百合子都知事を支持する小池知事勢力が127議席中、79議席を獲得して圧勝で終わった。改選前の都議会第1党だった自民党は23議席にとどまり、歴史的な大敗を喫した。報道各社によると、自民の敗因は国政が足を引っ張ったというもの。たとえば、日本経済新聞は翌日の「小池系が過半数、自民は過去最低へ 都議選」という記事で以下のように分析している。

 学校法人「加計学園」の獣医学部新設を巡る問題、選挙戦で「自衛隊としてもお願いしたい」と述べた稲田朋美防衛相の失言などを巡り、安倍政権への強い批判が歴史的な惨敗につながったとみられる。

ただ、個人的には別の見方を持っている。確かに、自民惨敗の最後の決め手になったのは直前の官邸などの失言や行動だったかもしれないが、底流には都議会自民党への不信感があったと思っている。報道では築地・豊洲問題と東京五輪が判断材料になるとの見方だったが、むしろ都政改革、もっと言えば都政の情報公開が進むかが大きな判断材料になったのではないかと思う。

この底流を考える材料は昨年7月の東京都知事選にまで遡る。

舛添要一前知事の辞職に伴う東京都知事選挙で小池百合子氏が初当選を決めた。注目すべきは小池氏出馬に至るまでの経緯だ。自民党は小池氏ではなく元総務相の増田寛也氏を擁立。小池氏は所属する自民党の支援を得ないまま選挙を戦い、大差で初の女性都知事を勝ち取った。

このとき小池氏を支持した自民所属の都議らは党から処罰の対象となった。特に選挙中に話題になったのが、党議拘束を破り党推薦の増田氏ではなく小池氏を応援した場合「現職議員の親戚を含めて除名」との文書が自民都連から出回った。さすがに、「親戚を含めて」という異例の文書に自民OBからも「おかしい」との声が出た。

元首相の小泉純一郎氏はこんな風な見解を述べている。

呆れましたね。新聞記者と会った時に「あの通達はひどいじゃないか」「俺が小池さんを応援したら、進次郎は除名するのか」と話しました。(ハーバー・ビジネス・オンラインの『小泉元首相も呆れた! 「都知事選時の自民党東京都連はどうかしている」』より)

ワイドショーでも取り上げられ、17年ぶりの保守分裂選挙となった都知事選の小池氏vs自民都連第1ラウンドで、時代遅れの嫌がらせをする自民都連というイメージが浮上した。このイメージはことあるごとに浮上し、「ダメな自民都連」のイメージはどんどん強まっていく。

小池知事当選直後の初登庁でも、通例であれば都議会議長や各会派の代表者が参列する登庁セレモニーに参加したのは小池氏を応援したかがやけTokyo3人のみ。都議会議長(自民党)への訪問の際も、議長が恒例の記念撮影を断った。これまでであれば、都知事選への関心が低く初登庁がクローズアップされることが少なかったが、テレビなども含めて注目度が高かっただけに、こうした自民都連への対応が東京都民の目に強く印象に残った。

この辺りの状況は音喜多都議のブログ『小池百合子知事の初登庁も、都議会自民党らが通例を破ってまさかの「出迎え拒否」!』に記述されている。

自民都連のマズい対応はこの後も続く。小池氏を応援した自民党員のうち、7人の区議には離党勧告処分が下され、国会議員の若狭勝衆院議員は自民党本部が口頭での厳重注意。当の小池知事には何のおとがめもなし。

昨年12月の都議会での小池都知事と自民幹部との質問のやりとりも改革派の小池氏vs抵抗する自民の構図になっていた。都議会の一般質問のトップバッターで立った自民会派政調会長の崎山知尚氏は事前の通知なく28の質問を都知事に投げ、そのうち9項目しか答えられず。大前提として小池都知事が答弁調整を拒否していたことはおさえておく必要がある。ただ、これに対しても自民による小池都知事いじめと映ってしまう。

東スポでは『都議会自民の小池イジメは逆効果 知事に「かわいそう」同情の声再び』という記事の中で、

 答弁に立った小池氏は「事前に一切、質問を頂いていない」と困惑し、「ちょっと待ってください」と水を飲んだり、壇上で安藤立美副知事からアドバイスをもらったりするなど、動揺を隠せなかった。同時に「質問に答えろ」「それ違うよ。訂正した方がいいよ」とヤジは止まらない。結局、小池氏は整理のためにいったん、降壇することになった。

と書かれている。こんな記事もありました。

さらに、前回の定例会では鳴りを潜めていた「ヤジ」も解禁されました。自らがとったメモの内容も読めずしどろもどろになる小池知事に対して、「説明になっていない!」、「議長!なんとかしてください!」とやじが飛びます。ヤジの中でも特に印象に残りテレビでも注目されたのが、「笑ってんじゃないよ!」というヤジでした。笑ってんじゃないよ!とヤジを飛ばしたのは「高木啓」幹事長(北区選出)だと週刊文春(2016年12月22日号)が報じています。(simple life hackより)

かつて元首相の小泉純一郎氏が改革派に対して、抵抗勢力を演出して郵政民営化を推し進めてきたのと同じように、実は自民都連のイメージは悪くなっていたように思います。事実、自民の崎山知尚氏と高木啓幹事長は今回の都議選で落選しています。

日経新聞の都議会ライブの最後に18歳の高校生のコメントが載っていました。

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なぜ都民ファーストの会に一票を投じたのか。「議会を変えてくれそう」。政策以前に、当たり前のことがしっかり見える形で議論できる土台を作ってほしい。国政云々よりも、まずはそんな最低限の願いを込めて都民ファーストの会を支持した人も多いのではないでしょうか。

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