秋冬のミドルレイヤーを考える

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だいぶ気温が下がってきて肌寒くなってきて、初めて冬の低山にハイキングに行こうと考えたときに何を着ていったら良いのか頭をよぎる。今年は夏にだいぶ関東近郊の低山に行ったので、こんな感じかな、という感触が分かってきたのだけど、冬はまた別の顔があるはず。

そこで考えたのはミドルウエア。インナーはモンベルのジオライン(zeoline)中厚か、パタゴニアのキャプリーンサーマルウェイト(CAPILENE THERMAL WEIGHT、従来のキャプ4)、またはsmartwoolやicebreakerのメリノウール素材の長袖でだいたい決まり。でも、きっとこれだけでは行動中(歩いている間)でも体が徐々に温まるとはいえ寒そう(な印象)。アウトドアストアで聞いてみたところ、神奈川県の大山くらいであれば汗冷えを防げるFinetrackのシャツ「スキンメッシュ」の上にキャプリーンサーマルを着ていると、意外と大丈夫かも、と。

行動中にギリギリ我慢できたとしても、やはり休むときには1枚必要。そこで、選択肢になるのは(1)フリース(2)軽いダウンジャケット(3)ソフトシェル(アウター)。

進化した化繊インサレーションという選択肢

さて、どれがいいだろう。自分の基準が明確でないと選べないので、色々と考えてみた結論はフリースとダウンのいいとこ取りできるモノはないか、という観点から選んだ化繊インサレーション。フリースは使い勝手はいいけれど、着ないとかさばり、通気性がある程度いいので休んでいるときは寒い。ダウンジャケットは行動中に着ると暑すぎるし、濡れると途端にダメ。

登る山の気温や場面によってはフリースやダウンが最大限効果を発揮しそうなことは間違いない。でも、できれば行動中も休んでいるときも着ていられるものはないか、という観点から考えると、最近は進化した化繊インサレーションというのがあるという話が記事になっていた。→「“動ける”防寒着!最新化繊インサレーションをおすすめする7つの理由と注目の7着

進化した化繊インサレーションは何が違うのか。

2012年頃に登場したのが、フリースをはじめとした素材メーカーである Polartec社が新たに開発した化繊の中綿素材 Polartec Alpha です。アメリカで軍事用に開発されたというこの素材は、フリースの快適さと通気性にインサレーションの保温性と軽量・コンパクトさを兼ね備えた、まさに夢のハイテク化繊インサレーションでした。

結論はArc’teryx Atom LT Hoody

この中で最終的に選んだのはArc’teryx Atom LT Hoody。最後まで比較検討に上がっていたのはPatagonia Nano-Air Hoodyでした。

自分の中で購入の基準となったのは以下の点。

  • デザイン(登山以外にも日常的にも着られる非登山用具っぽさ)
  • 着心地(柔らかくて着ていて動きやすい)
  • 暑くなったときにザックに入れられるコンパクトさ
  • ある程度の保温力
  • 自転車で走るときでも使える
  • ミドルレイヤーとしてこの上にソフトシェルなどが着られる
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outdoorgeazineの記事に登場する7着はどれも機能性には優れているのですが、やっぱり「私、これから登山に行きます」感が強いというのがぼくの印象(あくまで主観です)。その中で、着てみた感じ、日常的にも使えそうだなと思ったのがATOM LT フーディ。サイトの画面で見ると、表面がテカテカでのっぺりしているに見えるけれど、実物はもう少しマットな感じで予想外に柔らかくて着心地は抜群だった。しかもアウターとしても使えるし、ミドルレイヤーとして重ね着もできそうなスリムなフィット感もあった。

アウターレイヤーとしても着用できるミッドレイヤーは、様々な天候に対応できるだけでなく、湿気コントロール機能も備えています。Atom LT は通気性の良い Coreloft™ インシュレーションを使用しているだけでなく、 通気性の良いサイドパネルに Hardface™ 技術採用の Polartec® Power Stretch® を使用しているので、運動中の体温調節を促進します。

このCoreloftはダウンに変わる素材として登場していて保温性が高い。脇下はストレッチ性の高いフリース素材になっていて、動き回って暑くなっても一定の通気性が確保されている。アウトドアストアの店員さんによると、「意外と暑くない。むしろ、フリース素材のところは防風性が劣るのでスースーして意外と寒いかもしれない」とのこと。首回りもフーディはあご上まで来るので簡易マフラー代わりにもなる。

内側にはポケットがついていて、使わない場合はこのポケットに折りたたんで収納してザックに入れて持ち運べるような設計になっている。サイトではこのほか、袖の部分に押し込んで小さくする方法も紹介されている。

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自転車で走るときに使えるかで参考にしたのはBorder no blogさんの「自転車ファッション考」。自転車乗るときのアウターで使えるのであれば、仮に山でやっぱり暑くて使わなくなっても日常的に着られるな、という安心感が生まれた。

なぜNano Air Hoodyではないのか

一方、着心地の良さで気になったのはPatagoniaのNano Air Hoody。触った感じが柔らかく、色々なところで布団にくるまれているような快適さと表現されていた。確かに着心地という観点からすればAtom LT Hoodyよりも上だったかもしれない。でも、試着してみるといくつか弱点があることに気がついた。

1つめは着てみた印象が意外とモッサリした印象になってしまう点。色合いも登山には良いけれど、もし会社にアウターとして着ていけるかと言えば、ためらわれる。

もう1つはコンパクトさ。当然、この化繊インシュレーション分野は行動中にも着られるというコンセプトなのでザックへの収納はあまり想定されていない。でも、やっぱり暑ければ脱ぐ。もしそうなった場合を想定したときのコンパクトさもやはり重視したかった。

最後は価格。PatagoniaのNano Air Hoodyが3万7800円なのに対して、Atom LT Hoodyは3万240円。5000円以上の差も大きかった。

そもそも、悩みどころは「別にミドルレイヤー必要ないんじゃないか」という点だった。フリースで言えば、PatagoniaのR1を持っていた。これにモンベルのジオラインを組み合わせて、PatagoniaのHoodiniを着れば意外とイケル気がしていたのだけれど、やっぱり山に行って「やっぱり寒かった」はイヤだなぁとの思いが最後の決め手になった。

買うことが決まったら今度の悩みはサイズと色。

ちなみに、ぼくの場合は身長165センチの体重が58キログラムくらいで、試着してみたらXSがちょうど良い感じでした。Sサイズでも着られなくはないけど、中間着なので重ねてハードシェルやレインウエアを着る可能性は大いにある。XSといっても完全にフィットと言うよりはインナーを2枚くらいは重ね着できる余裕があった。Sだと丈は気にならないとしても袖が若干長いのが気になったので、店員さんとも相談したらやはりXSの方がいいだろうという結論になった。

色はアナコンダという緑色(ぼくはこれを購入)のほか、店舗で確認できたのがポセイドンといわれる青、首回りの色がキャッチーなグレー、どんな服にでも合わせやすいシックなブラック。実はサイトで見た感じだと、緑はぼくの好みには合わなかったのですが、店舗で見てみたら緑の色合いがサイトで見るよりも深くオリーブっぽい印象で、悪くなかった。定番のモッズコートM-51のような感じ。

逆に、サイト上で見る限りこれがいいかな、と思っていたグレーは首回りの色がオレンジと言うよりも赤茶色っぽい感じで、ジッパーを開けた服の内側も全部その赤茶で派手だった。ポセイドンやブラックも良かったのですが、意外とほかになさそうでいいかも、と思ったアナコンダカラーを選んだ。

自転車での使用感は◎

さて、では実際に使ってみてどうか。予定していた11月のハイクが天候不順のため延期になったので、山での使用感は改めて書きたいと思う。代わりに自転車で使ってみた感想から書いてみると、今のところ買って正解だった。都内の夜10時くらいと真夜中の3時くらいで、気温は10度を下回る環境下。走り始めは心地よいくらいの暖かさで、防風性もあって時速30㎞くらいのスピードで走っても快適。

しばらく走ると運動量が上がるので、体が熱くなる。それでも暑すぎるという感じはなく、気になれば当初は首回りまで上げていたジッパーを少し下げて通気性を高めると、体感温度の調整がしやすい。動きやすさも素材が柔らかいので、全く気にならない。ダウンだと暑くなりすぎるけれど、このATOM LT Hoodyは適度に温度を保ちながら調整できる良さを実感できる。

ちなみに、自転車で走っているときの服装は通勤で使っていたりするので、インナー+ワイシャツ+ATOM LT Hoody。インナーも適当で、運動には汗冷えするのでオススメされないユニクロのヒートテック。ワイシャツもオックスフォードシャツが多い。つまり、あまり自転車乗りに特化しなくても快適に寒さを感じずにぼくは使えている。家の中でも少し寒ければ気軽に羽織れるし、今のところかなりヘビーユースの一着に躍り出ている。あとは山で使ってみてどうか。自分でも楽しみです。

冬山だと寒さが気になる

(2017年1月追記)実際に何度か山で使ってみた感想。基本的に2000メートル級までの低山を中心に歩いているのですが、冬山の山頂でじっと休憩しているとじわじわと寒さを感じた。行動中は快適そのものなので、悩ましいところ。丹沢系の鍋割山に1月に登ったときは山頂で寒さを感じたので、patagoniaのウィンドブレーカーHoudiniをATOM LT Hoodyの上に着たらそこそこ行けました。気温でいえば、4℃くらいだったような気がします。

鍋割山の標高は1273メートルなので、もし雲取山などもう少し標高が高いところに行ったり、天気の関係で気温がもっと下がったらATOM LT Hoody+houdiniでは心許ないと感じ、対策を考え中。手段としてはATOM LT Hoodyの下にミドルレイヤーのフリースを重ねるか、ベースレイヤーを厚くするか。またはATOM LT Hoodyの上にもう1枚何かを着るか。

ちなみに、鍋割山に行ったときのレイヤリングは、

  • ベースレイヤー:モンベルのスーパーメリノウール L.W.シャツ(薄手の半袖)
  • ミドルレイヤー:ibex hooded indie(薄手の長袖)
  • アウター(ミドル):arc’teryx ATOM LT Hoody
  • ボトム:The North Face Alpine Light Pants
  • タイツ:CWX Generator

これに必要に応じて、Patagonia Hoodiniを着る。1つの選択肢としては、一番のベースレイヤーをibexにして、その上にPatagoniaのフリース「R-1」か、もう少し薄い「Capilene4(thermal)」を着た上でATOM LTを使う。で、もしそれでも寒い場合はHoudiniを着る。

とはいえ、最後の砦がHoudiniで良いのかというのも不安。きちんと冬山対策をするのであれば、ここで防風と耐久性という点でハードシェルを買っておくべきなのですが、ハードシェルは値段が高くて下に着る防寒がしっかりしていないと寒そう。経験の浅さからイマイチ現状では必要ないんじゃないかという思いもあって葛藤中。Houdiniよりも防寒・防風性能があり、持ち運びしやすく、ATOM LT Hoodyとも併用できる選択肢を探しています。

気になっているのは、Finetrackで評判がすこぶる良いニュモラップフーディーと、同じくarc’teryxのNuclei FLかAR。検討結果はまた別の記事にしたいと思います。

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