ドンキホーテの躍進の意味

DonkiHD

日経ヴェリタス『新政権 市場が問う』号の中で、興味深い記事があったのでピックアップ。バラエティーショップを展開するドンキホーテホールディングスの時価総額が百貨店の雄、三越伊勢丹ホールディングスを上回ったという話です。ちなみに、12月19日時点の時価総額は、ドンキHDが6372億円、三越伊勢丹HDが5872億円です。全文『ドンキ、「訪日客」「対応力」で躍進、時価総額で三越伊勢丹を逆転』はリテールテックJAPANに掲載されています(たぶん期間限定)ので、ご参照ください。

興味深いのは以下の部分。

 訪日外国人こそが、けん引役となっている。商品をつめこむ圧縮陳列や深夜営業といった独特の手法が外国人の間で話題となり、いまや店舗は一種の「観光名所」。炊飯器を6個まとめ買いする人、夜中の3時に大量の食料品とそれを入れるための段ボールを購入する人などとそのパワーはすさまじい。

 10月の客単価は2400円だが、外国人観光客に限れば1万8200円と約7倍に膨らむ。これが支えとなり、小売業界が消費不振にあえぐなかでも、同月の既存店売上高は前年同月比8.3%増と大きく伸びた。

観光名所になっているって部分と客単価。リンク先にはグラフが掲載されていませんが、紙面を見ると、11月の免税品の売上高が前年比で4倍超伸びてます。ちなみに、訪日外国人数ですが、日本政府観光局(JNTO)が12月17日に発表した11月の訪日外国人客は116万9000人で前年同月比39%増。2014年の11月までの累計では1200万人を突破しているということです。

内訳を見ると、韓国がトップの23万9000人なのですが、やはり目立つのは中国。人数は20万7500人と3位ですが、伸び率が前年の2倍とダントツ。中国では日本の炊飯器が人気だという点を考えると、ドンキで炊飯器を6個まとめ買いするのはきっと中国人なのでは…と推測指定してしまいます。

ドンキ、成長のエンジンは国外消費の取り込み

一方、ドンキホーテHDが三越伊勢丹HDを時価総額で抜くというニュースにはどのような意味があるのでしょうか。時価総額が株式市場で見た企業の今の価値と考えると、2つくらいの見方ができそうです。1つは両企業が主にターゲットとしている消費者の市場です。ドンキホーテHDが成長する上で最も重視しているとみられるのは外国人です。国内の顧客層ではなく、外国人客の取り込みが成長のエンジンになっています。対照的に、三越伊勢丹HDが狙うのは国内富裕層。百貨店は良質で付加価値の高い商品を提供していますが、対象顧客は高齢化。若年層の裾野拡大がなかなか進まない状況を考えると、百貨店の苦戦ぶりがこの逆転劇からも読み取れます。

もう1つは円安進行です。訪日外国人客が増えた1つの理由は円安にあります。一時は1ドル120円台に乗るほどでしたが、現状では117円前後で推移している模様。それでも、1ドルが100円を割っていた時代からすれば隔世の感すらあります。円安のメリットは円の価値が下がることで、外国人が日本のモノを買いやすくなることです。つまり、輸出型の企業にとってはモノが売りやすくなるし、外国人は日本でモノを消費するチャンス、いわばセールのような状態になっているわけです。

今後も円安基調が続くとみれば、訪日外国人客数も高止まりで推移すると考えられます。その国外消費を上手に取り込めているのがドンキとも言えるわけで、円安が追い風になっているのです。そう考えると、まさに今の日本の経済状況の一端を示すニュースと言えそうです。

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