光差した攻撃陣 日本、オランダに2点差追いつく

写真はイメージ                             (写真はイメージ)

サッカー日本代表とオランダ代表の試合が16日、ベルギーのゲンクで行われ、日本は前半の2点差を追いつき2−2の同点に終わった。真新しいユニフォームに身を包んだ日本の先発メンバーは主力の香川真司(マンチェスター・ユナイテッド)や遠藤保仁(ガンバ大阪)がベンチスタートとなる異例の布陣。代わりに入ったのが、大迫勇也(鹿島アントラーズ)と山口蛍(セレッソ大阪)。

ザッケローニ監督は試合直後のインタビューで今日の試合は「勝ちは重要ではなかった」というような話をしていたが、W杯に向けて内容重視の試合で大迫が1ゴール1アシストという結果を出した。

さて、試合を振り返るにあたって、オランダ戦の位置づけとポイントをまず整理してみます。

2013年のザックJの戦績は7勝8敗2分け。7月のコンフェデレーションズ杯から世界の強豪と対戦するようになって守備陣の弱点が露呈。東アジア杯では優勝したが、世界レベルにいかに持って行くかが課題となっていた。その課題を意識して挑んだ10月の欧州遠征ではセルビアに2-0、ベラルーシに1-0とW杯に出場できない両チームに無得点で敗戦。「ザックJ停滞」という状況に陥っていた。

16日のオランダ戦、そして続く19日のベルギー戦の位置づけは、そんなザックJがどう立て直して世界の強豪と戦うスタイルを示せるかがポイントとなる。具体的に注目したのが

・組織的な守備
・点の取り方
・新戦力と常連組の融合

で、試合ではどうだったのか。

● 守備の不安は解消されず

組織的な守備という面では正直、改善したかは判断がつきにくいように見えた。確かに、ハーフライン付近の高い位置から相手にプレスをかけて、相手中盤のボールの出所にプレッシャーをかけて高い位置でつぶすという狙いは鮮明に出ていて、意図は理解できた。

問題はそのプレスがかいくぐられたときのリスク管理だ。結局のところ、日本のDF陣が世界レベルとやり合ったときに失点している原因は1:1の弱さにある。もちろん、個で差があるのだから組織的に守るという戦略なのは重々承知だけれど、世界のDFと比べて日本のDF陣が弱いと感じるのはゴールエリア付近での体の寄せ方だ。どうも距離の詰め方が遅くて体のあたりで負けるので、相手の体勢を崩しきれずにシュートを許してしまっている気がする。

吉田麻也(サウサンプトン)や今野泰幸(ガンバ大阪)は歴代の代表DFとは求められる資質が違うこともあって、DFとしての強さみたいなものが感じられない。特に今野は元々がボランチの選手。ボールをインターセプトしたり、中盤でプレスをかけてボールを奪取するのは上手だけれど、体を張って最後の砦としてボールを跳ね返す従来のイメージとは違う。

彼らに求められているのは、パス回しが上手な賢いDFという資質だと思われるので昔のDF像を持ち出されても…という部分ではあるけれど、守備の安定感を欠くのはこうした最終ラインの強さを克服することも必要なのかな、と思う。

実際、1点目は不用意なバックパスのミスが原因だとしても、2点目のロッベンに決められたシュートはDF陣の寄席の遅さに起因している。オランダのパス回しが早かったのは間違いないが、危険なエリア察知能力がやはりもう少し必要ではないか、と。結果的に、課題が克服されたとみられるか、というとイマイチ不安は残る。

● ダイレクトプレー、連携光る

点の取り方には 光明も見えた。高い位置からプレスして奪ったボールを長谷部が大迫に送り、大迫がダイレクトに右足でシュート。前半終了間際に1点を返し、後半につなげた。キーワードはダイレクトプレーだ。起点となる選手からFWにボールが出たときに、連動して2〜3人がパスをもらいに走ることでダイレクトプレーを誘発。1〜2タッチでシュートまで持って行く。特にフィニッシュのシュートまでがダイレクトプレーというのがポイントかな、と思う。

2点目の本田のゴールも、起点となる遠藤が右サイドに大きくボールを展開。受けた内田がドリブルで中に切り込み、斜めに走り込んだ大迫に縦パス。ダイレクトで落としたボールを走り込んだ本田がこれまたダイレクトでシュートして決めた。

惜しくもゴールとはならなかったけれど、香川から柿谷に縦に出したシーンでも、本田がおとりとして斜めに走って相手DFを吊り出し、そのスペースを柿谷が使ってダイレクトでシュートまで持って行っている。

ゴール前でいかに少ないタッチでシュートまで持って行くか。その模索の形がおぼろげながら見えてきた。

● 香川が復調 チャンス演出

一方、新戦力と常連組の融合も進んできた。大迫が1ゴール1アシストを決めたことが象徴的だが、少しずつ戦術理解が浸透してきたようにも見える。さらに良い材料だったのが香川の復調だ。所属するマンチェスターUで出場機会が増えてきたのも重なり、後半からの途中出場で何度もチャンスを演出。ダイレクトパスだけではないドリブルの意外性やシュートまでの精度はチームに良いスパイスを与えていた。

今回のオランダ戦は惨敗もあり得るという予想の中で大健闘だった。ただ、オランダはエースのファンペルシーが欠場していたことも忘れてはならない。次のベルギー戦では、オランダの戦い方がまぐれではなく、本物かどうかを見極める機会となりそうだ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事
Theme by LIQUID PRESS.